コンテンツ東京で展示!8K RAWリアルタイム編集を実現するハイエンドPC

4月上旬、東京ビックサイトにてコンテンツビジネス総合展「コンテンツ東京2019」が開催されていました。

コンテンツの中で映像の重要度は増すばかりという近年の状況の中、映像制作環境へも注目が集まっています。そのような傾向を受けて、コンテンツ東京内では「映像・CG 制作展」が開催されて、多くの来場者が足を運んでいます。
今年の同展の「Digital DIY」ブースでは、PCを駆使したさまざまなCGや映像編集のソリューションが展示されていました。

その中で派手な演出はないものの、注目すべき展示を見つけました。それは、8K RAWデータ映像をリアルタイムで編集するPCソリューションです。
ご存知のとおり、8Kとは、ハイビジョンの16倍、4Kの4倍もの解像度を持つ映像フォーマットです。またRAWとは、撮影したカメラが撮像素子で取り込んだそのままのデータになります。8K RAWデータは変換や圧縮が施されていない状態のため、情報量が多いのですが、その半面、表示や編集を行う際に処理を行う機器には高い性能が要求されます。
従来のソリューションでは、専用の機材などを使用することで対応してきたハイエンドの映像編集システムでした。ここにきて登場してきたのは、CPUだけでなくGPUを活用し、汎用のパーツを組み合わせることで8K RAWデータをリアルタイム処理する性能を実現するPCマシンです。
今回、展示されていたマシンのスペックは以下の表のとおりです。
展示マシンの主要スペック
| パーツ | 製品名/型式 | 補足情報 |
| CPU | Intel Core i9-9980XE | 3.00 GHz/18Core/TDP165W |
| M/B | GIGABYTE X299 WU8 | |
| メモリ | CENTURY MICRO 426V60EG8 | DDR4-2666/128GB |
| CPUクーラー | COOLERMASTER MASTERLIQUID LITE 120 | |
| VGA | GIGABYTE GV-N208TTURBO-11GC | 2枚/後方排気 |
| SSD | Intel SSDPEKKW512G7X1 | 512GB/M.2 |
| 電源 | ENERMAX EMR1800EXT | 1800W |
| ケース | フルタワーケース | No Brand製品 |
| 拡張カード | GIGABYTE GC-ALPINE RIDGE | PCI-e X4/Thunderbolt3 |
| OS | Windows 10 Pro for Workstation 64bit 日本語版 | |
| モニタ | DELL UP3218K | 8Kモニター |
| ソフト | ASSIMILATE SCRATCH v9.1 | β版 (Turing対応) |
| 外部ストレージ | QNAP TVS-1582TU | Thunderbolt3接続 |
イーアリーナ株式会社と協力して、このシステムを構築したDittok media production technology 主宰の伊藤 格氏によると、「昨年のTuring GPUの登場後、ようやくソフトウェアの対応が整ってきた」とのこと。

会場の展示では、正式リリース前の「ASSIMILATE SCRATCH v9.1」を使用して、RED Digital Cinema社の8K Heliumセンサーを搭載したRED Weaponなどで撮影されたデータをリアルタイムで再生/編集するデモを行っていました。

このPCの注目ポイントは、マザーボードとやはりGPU。GIGABYTEのマザーボード「X299 WU8」は7基のPCI-Express3.0(x16形状)を搭載し、4-Way NVIDIA SLI/AMD CrossFire Xに対応。レーン分割x16/x16/x16/x16のマルチグラフィックスが可能です。

グラフィックは、GeForce RTX 2080 Ti搭載のGIGABYTE製「GV-N208TTURBO-11GC」2枚を載せています。GV-N208TTURBO-11GCは後方排気方式で、高負荷処理中の熱問題に配慮した組み合わせになっています。

伊藤 格氏によると、今後このソリューションをさまざまなコンテンツ制作の現場に展開していく計画とのこと。HDから4K、4Kから8Kへと高解像度映像のニーズが高まりつつある中、PCのハイパフォーマンス化の波が映像制作の環境にも大きな変化をもたらしそうです。



